3.4 仲介

ユーザとエージェントの間を取り持つエージェントについて説明します．教科書p.66 "3.4 人間とエージェントとの通信を支援する" の内容に相当します．

概要

• 3.2節で説明したように，ODB_aomoriは青森県の温泉についての情報を持っています．
• userは青森県の温泉情報を得ようとします．
• しかしながら，userは次の知識がありません:
  • ODB_aomoriに対してどのようなメッセージを送ればよいのか？
  • ODB_aomoriからの返信をどのように解釈すればよいのか？
• DB_accessは，より分かりやすいインタフェースをuserに提供します．

メッセージの流れ

• ユーザは from-user と to-user という簡略化したメッセージを利用してエージェントに質問できます．

プログラム

ODB_aomori.groovy

(3.2節と同じ)

DB_access.groovy

class DB_access extends TAG {
    def loop(msg) {
        println msg
        if (msg._p=='from-user' && msg.whereis!=null) { // 所在地の問合せ
            Map m = request('ODB_aomori', [_p:'request-information', name:msg.whereis])
            reply(msg, [_p:'to-user', name:m.name, city:m.city])
        } else if (msg._p=='from-user' && msg.whattype!=null) { // 泉質の問合せ
            Map m = request('ODB_aomori', [_p:'request-information', name:msg.whattype])
            reply(msg, [_p:'to-user', name:m.name, type:m.type])
        } else {
            reply(msg, [_p:'sorry', msg:msg])
        }
    }
}

• request()を使うと，他のエージェントに問い合わせを行い，回答を得ることができます．

動作方法

• エージェントDB_accessにメッセージを送って温泉データを検索します．
• 温泉名による検索
  • [_p:'from-user', whereis:'湯野川温泉']を送ると，次のデータが返ってきます：
    [_p:'to-user', name:'湯野川温泉', city:'川内町', _f:'DB_access']
• 泉質による検索
  • [_p:'from-user', whattype:'湯野川温泉']を送ると，次のデータが返ってきます：
    [_p:'to-user', name:'湯野川温泉', type:'単純泉', _f:'DB_access']

課題

1. 温泉の評価値を返すように機能拡張しましょう．